5年くらい前。
ノープランで彼女とタイからシンガポールまで南下する旅をしていた時のこと
タイのアユタヤで観光した後、カフェでマレーシアのどこで何をするかという話をしていたら、
日本語の分かるマレーシア人のおじさんがいきなり「ニホンジンデスカ?」と話しかけてきた。
海外の観光地で日本語で話しかけてくる人がいたら、だいたい悪い奴だから気を付けろって何回も言われてたので、警戒しつつも無視もできないし普通に返答して、会話してみた。
その人はマレーシアのペナンアイランドという島の出身で、もし目的地決まってないんだったら、
「ぜひ僕のホームタウンに行ってみて。」とオススメしてくれた。
スマホで色々現地の観光スポットの写真など見せてくれて、ペナン島のことを色々教えてくれた。
多文化の島でインド人と中国人がたくさん住んでいて、マレーシア料理だけでなく、本場の中華料理や、インド料理が食べられること。
そこの島だけチャイニーズニューイヤーやタイプーサムというインドのお祭りが行われる日など、ペナン島にだけある祝日があること、そして、たまたまその祝日がマレーシア入りする日の翌日だったこと。
島にあるジョージタウンという中心街が、街全体が世界遺産になっていて、色んな建物にトリックアートが描かれていること。
ペナン島に関する情報を色々教えてくれて、正直めちゃくちゃ惹かれてしまったので、
「ペナン島に行きます!」決心して言ったら
ホームタウンを気に言ってもらえたのが嬉しかったのかおじさんもめちゃくちゃ嬉しそうだった。
地図にオススメのスポットや、ゲストハウスまで書いてくれて、とことん親切にしてくれた。
それまでタイが楽しすぎて全くマレーシアのことも調べてなくて、
行ってみたい場所も特になかったのに、急にマレーシアに行くのが楽しみになった。
現地の人に教えてもらって次の目的地が決まるのも、
旅感が出ててめちゃくちゃ嬉しくて
「旅ってめっちゃ楽しいー!!」
ってずっと興奮してた。
その後おじさんが、
「この街の一番オススメのデザート屋さんに僕の車で連れてってあげるよ」
と言ってくれたんだけど、その途端
今までの親切が全部演出で、どこかとんでもないところに連れてかれたらどうしよって気持ちが120%くらいになった。
でもこんだけ親切にしてもらって断れなかったので、言われるがままについていったら
本当にデザート屋さんに案内してくれた。
そこで、今までのお互いの話を色々して、時間を過ごした。
しかもお会計は全部このおじさんが払ってくれた。
なんていい人・・・
このおじさんは日本で10年くらい仕事をしてて、来日当時右も左もわからない状態だったとき時に色んな日本人にたくさん親切にしてもらったそう。
だからこっちで日本人を見ると親切にしてあげたくなってしまうんだとか。
それを聞いた瞬間鳥肌が立って感動した。
この人に優しくしてあげた日本人ありがとうって思ったし
警戒してしまっていた人が、騙したりするどころか
情報提供してくれた上にデザートまでご馳走してくれて、震えた。
ペイフォワードのような素敵すぎるシチュエーションを経験して、自分の中の世界が広がったような気がした。