旅の思い出

半径5kmを切り取る旅 page3

 

 

今回はスナップ日記。

 

 

物撮りや風景撮りと違ってスナップシューターはほぼ毎日写真を撮る。

 

意識して毎日撮るようにしている、と言った方がいいかもしれない。

 

1枚でもいいから、カメラに触りたいと思ってしまう。

 

 

そんな訳なので、写真フォルダーにはかなりの数の写真がストックされている。

 

 

現在インスタグラムにて毎日写真を載せてはいるが、それでも日の目を見ていない写真が沢山ある。

 

それだと可哀想なので、だから特別すぐにシェアしたいものがない限り

過去のものをその時の記憶と共に紹介していこうと思う。

 

 

 

という訳で今回は以前に宇品に行った時の事。

 

 

 

その日は特に予定がなく、朝起きてから何をしようかとぼーっと考えていた。

 

 

前の日は仕事の関係で1日中パソコンの前で作業をしていたので、

今日は何かリフレッシュをしたい。

 

 

朝食をとって、家での楽しみであるコーヒーを挿れて飲んでいると、

ふと宇品に行こうと思いついた。

 

 

海や港町が好きなのと、その当時はスナップを始めて日が浅く宇品の辺りは撮りに行った事がない。

 

丁度いい、今日は宇品だ。ついでにカフェでコーヒーを飲んでのんびりしよう。

 

 

そう思った僕は急いで家の事を終わらし、カメラの準備をして昼ごろに家を出た。

 

 

とりあえず家の周りをぶらっとスナップし、十日市から宇品は流石に遠いので市電に乗る。

 

 

僕は曜日関係なく仕事をしているので、この日は平日。

 

平日の昼なので車内は空いていて、のんびりと過ごす事が出来た。

 

 

乗ってから気づいたが、この電車は乗り換えが必要で、広電本社前で一度降りなければならない。

 

 

おや、と思ってスマホで地図を見ると広電本社前から宇品までは歩いて40分。

 

 

「これは歩けという事だな」

 

 

そう思った僕は乗り換えずに降り、カメラをスタンバイして歩いて宇品に向かう。

 

直感や偶然で過ごす僕は予定の変更は日常茶飯事だ。

 

 

しかもこの辺りは歩いた事は一度もないからどんな被写体に出会えるかのワクワクがいつも以上だった。

 

 

ルートは地図を見てだいたいの方向だけ把握してあとは直感で決める。

 

 

結果的に今回は団地や住宅街が多いルートとなった。

 

 

Fujifilm X-T100 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ
Fujifilm X-T100 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ

 

 

 

この時丁度侘び寂びについて勉強をしていた時だったので、こういった光景にカメラが自然と向く。

 

 

上のコンクリートは一度壊れた後、おそらく邪魔になるだろうと片付けられているのが想像出来る。

 

完全に修復されず、そのままの姿で風景に同化している姿に侘びを感じた。

 

一方下のコンクリートは壊れている訳ではないが色褪せて寂れている。

 

家というパーソナルな空間を守る為の塀から歴史を感じる。美しい。

 

 

 

Fujifilm X-T100 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ

 

 

冬の公園は緑もなく、時間的に遊ぶ人もいなかった為、暗い。

 

 

 

Fujifilm X-T100 + XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ

 

 

ついさっきまで人が乗り、海に波を起こしていた船も停まっている姿は静かだ。

 

 

 

そんなこんなでスナップを楽しんだ後は、カフェで休憩。

 

 

コーヒーを飲みながら撮ったものを確認してニヤニヤしたり驚いたりするのも至福の時間。

 

 

 

宇品海岸のフレックスギャラリー2Fにある24/7 Coffee & Roastar ujinaさんにて。

 

 

入ってちょっとびっくりしたのが、ほとんど女性のお客さんばかりの超オシャレカフェだった事(笑)

 

 

でも深めのコーヒーがあったので満足。器も味があっていい所でした。

 

 

 

 

初めての土地を気ままに歩き、いい被写体に出会えばスナップする。

 

 

思いつきだったがいい時間を過ごすことが出来た。

 

 

 

スナップをしているといろいろなものに目がいく。

 

 

特にその時の自分の興味のあるものや、自分の精神状態も反映されるから面白い。

 

 

だから暗い気分の時は暗い写真が多くなる(笑)

 

 

写真と共に書いたように、この当時の学んでいた侘び寂びへの着目が出た写真が多かったし、

 

 

誰もいない公園に寂しさを感じていたのも写真と共に蘇った。

 

 

 

日々のスナップは自分の事を知る指標にもなるし、自分の考えを研ぎ澄ます物でもあるのだ。

 

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kida toshihiro
広島にて写真・音楽などで活動中のアーティスト モノクロスナップやポートレートなどで写真家として活動。 音楽ではジャズやポップスなど幅広いジャンルを演奏するベーシスト。 禅や仏教など日本文化を学んでおり、普段から和服を着ている。 スナップをする時は仕方なく洋服だったが、最近はアーティスト感を出した方がストリートスナップは楽だと気付いた。