このサイト「旅ポスト」は旅をする人達の経験や感動をシェアする為の場所だと聞いている。
自分を見つめる為、自分を成長させる為、素敵な出会いをする為、旅をする理由は様々。
しかし旅をした人達に共通しているのは、「この感動を伝えたい」というとても純粋な心。
そんな人達に記事を投稿してもらい、そしてその感動を、経験を知りたいという人達が記事を読む。
なんとも素敵なサービスだと思った。
なんなら僕も海外のお話なんかは沢山聞きたい。
サイトを運営している方は普段からお世話になっている人で、彼からこのサービスの話を聞いた時、
素直に僕も何か書きたいと思った。
沢山の人の感動や経験が集まる所なのだから、きっととても良いものになると。
しかし、困った。
なぜなら僕はこれまでがっつり旅に出たことはないし、海外に行ったりした事もないのだ。
旅と旅行は違う。
目的地があって移動の時間が決まってという旅行は勿論あるが、
気の赴くまま人に導かれるまま各地を巡る、といった経験は僕にはない。
まぁだからこそ各地を旅する人の話を聞きたいという事でもあるのだが。
さぁどうしよう。諦めて記事を楽しみに待つ1読者になろうか。
と思ったのだが、悩んだのも一瞬で案外すぐに答えは出た。
「半径5kmの旅、みたいなコンセプトで記事書きたいです!」
これを聞いた彼は細かい事は特に聞かずに「いいね!」と言ってくれたので、
こうして晴れて今記事を書いているのである。
さぁという事でタイトルにある通り、僕がお届けするのは
「半径5kmを切り取る旅」
というテーマの記事。
どういう事なのか、ここで彼にも初めて説明するが(笑)
これは要は僕のスナップ記だ。
スナップとは写真の撮影スタイルの1つで、
風景写真やポートレートなど被写体を決めて入念に準備をして行う撮影ではなく、
街角の何気ない風景、人々の営みなど、
特に対象がこうと決まっていないものや、偶発的に現れるものなどを残すというスタイル。
僕は写真は基本的にこのスナップのスタイルを採っている。
たしかに下調べをして機材を吟味してそのタイミングを今か今かと待って撮る風景写真はとても美しいし、
モデルの魅力を最大限活かせるようあれこれ考えながら撮るポートレートは楽しい。
でも僕は偶発性の高いスナップが好きだ。
時間、気候、人の流れ、僕の気分など様々な条件が重なりあって撮影される写真は、
その時だけでしか撮れないものが多いし、その光景はカメラで撮ると同時に記憶にも焼き付けられる。
いい瞬間を逃してしまった時はとても悔しく思い、いい被写体に出会えた時は
夢中になってカメラを向けてその瞬間を逃さないようにする。
思えば、ジャズを演奏しているのも自由にアドリブが出来るのが好きだからという理由が1番大きい。
僕は元来そういった人間なんだろう。
そして僕はこのスナップに出かけるのが、僕にとってのある種旅なのだと思った。
スナップする時、良い被写体に出会えるように自分の心を開きながら歩くから、
様々な物に感動出来るし沢山の事に気づく事が出来る。
頬を撫でる風の気持ち良さ
夕方住宅街に漂う美味しそうな匂い
綺麗な花がひっそり咲いている所を見つけたり
植物や虫を見て季節が変わっている事を知ったり
身近には面白い形のものが沢山あるという事や
自分が美しいと感じるものへの意外性だったり
人と交流して他人の優しさに気付けたり…
孤独に、様々なことを考え・捉え、時には人と交流をし、終えた時には成長を感じる。
これは立派な旅ではないのだろうか?
僕はそう思っているからこのテーマで記事を書けると思った。
もちろん、旅の定義は人それぞれなので共感出来ない人はそれでいい。
だが僕にとってはせいぜい行っても5kmぐらいの範囲のスナップが、毎回意味のある旅なのだ。
だから僕の記事ではスナップ旅をした際の写真と、その時に思った事などを綴っていく。
もし僕のような視点を持つ人がいたらその人は同類として楽しんでもらえたら嬉しいし、
そうでない人は、こんな人もいるんだというぐらいの気持ちで読んで頂ければそれでいい。
勿論写真の話やカメラの話もするのでそれを楽しんでもらえるだけでもとても嬉しい。
とはいえ、細かいスタイルはきっとしばらく模索しながらになると思うので、
その辺は大目に見て頂けたら助かる(笑)
今回は初回のインプレッションという事で、お気に入りの一枚を。
宮島は半径5km以内ではないので、いきなり破綻してるが(笑)